LET2016の公募シンポジウム

LET全国大会の公募シンポジウムで登壇した際のスライドを諸事情で公開していなかったのですが、今になって公開しました。


私は二番手で登壇して、外国語教育研究において、質問紙や尺度を、作成・翻訳・使用する際の注意点のようなものについてお話させていただきました。基本的には、以下の参考文献など、いろんなところで示されているいろんなお作法についてまとめさせていただき、それらに触れた上でちょこちょこと自分の考えを散りばめたものです。

稲田尚子 (2015).「尺度翻訳に関する基本指針」 『行動療法研究』41, 117–125.

前田啓朗 (2000).「構成概念の妥当性の検証―日本の英語教育学研究における傾向と展望」『外国語教育評価学会研究紀要』3, 119–126.

前田啓朗・大和知史 (2000). 「構造方程式モデリングによる高校生の言語学習方略使用と言語学習達成の分析:SILL で得られたデータのより適切な分析と結果の提示方法の提案」Language Laboratory, 37, 143–162.

Mokkink, L. B., Terwee, C. B., Patrick, D. L., Alonso, J., Stratford, P. W., Knol, D. L., Bouter, L. M., & de Vet, H. CW. (2012). COSMIN checklist manual.

土屋政雄 (2015).「尺度研究の必須事項」『行動療法研究』41, 107–116.

ただ尺度の作成方法についても、流派というかいろんな考え方があると思いますし、このスライドで紹介したCOSMINチェックリストにしても、そもそも他分野を対象としているチェックリストなので、これに基づいてさえいれば何でもよいということでもないと思います。あと妥当性についても、Borsboomのような過激な主張の人もいたりして、人生いろいろ、妥当性観もいろいろということで、とにかくいろいろあります。それこそ確定基準(gold standard)なんてものはないので、あとは目的に応じて取捨選択してくださいということです。まあそれをいい塩梅にやるのがとっても難しいわけですが、知っているのと知っていないのでは、後者のほうがよいだろうということで。

勉強すれば色々出てくるもので、自分も昔作った尺度を今からもう一度作り直したくて仕方ないくらいですが、少しでも良い物差しが作れるよう研鑽を積んでいきたいと思いました。

2016年度が半分終わったところで中間振り返り

いつも年度末に振り返りをしているけど、それだけだと1年に1回しか改善の機会がないので、年度も半分を過ぎたところで、一度振り返りをやっておこうと思う。

前期の研究成果は、論文(査読無し)1本と、自分が1stでしゃべった口頭発表・シンポジウム発表が2本。もう少しやれたのではないかと反省。あとは1st以外の共同研究が2本。

発表は、時間をきっちり守ることだけが取り柄だったのに、無駄なおしゃべりと練習不足のせいで、発表時間が守れなくなってきた。
まあしゃべる中身がなくて、無理やりゆっくり話していた昔と比べたらマシだろうか。今後はしっかり練習して臨みたい。

博士論文はなかなか進まなかったが、ただまあ、半期サボったおかげで色々思考がまとまってきた。とか言って進捗がないことを正当化してみる。
ゼミや研究会では、まとまりのない計画の一端を発表させていただいた。建設的な意見をたくさんいただいたので、ぜひ取り入れていきたい。
みなさん、ありがとうございました。

投稿論文の方も、なかなか書き進められず歯痒い思いをした。
5月に某報告論集から急遽投稿要請があったので、英語で書きかけて放置していた論文1本を日本語に直して投稿した。
遅筆でご迷惑をおかけしすみませんでした。グズグズしてるからこうなる。

いつまでもグズグズしていてはダメなので、今年度は10月〆切のジャーナルに初挑戦する予定。あと11月〆切のジャーナルの投稿申し込みもした。
どちらも英語で書く予定なので、どんどん前倒しでやっていく。

非常勤は5コマやりきった。今期からいろいろと新しい試みをやってみた。
教員としてはまあまあの手応えだったが、学生さんからしてみるとどうなんだろう。正直な意見が聞きたいところ。
その新しい試みのせいで授業準備に時間が割かれて研究ががが…というのはみっともない言い訳。こういうことは金輪際言わないようにしようね。

研究部会の運営は、あんまり仕事がなかったのでよかった。と言いつつも、ちゃっかりイベントを1本開催させてもらった。
遠路はるばるお話に来てくださった先輩には感謝しきりです。本当にありがとうございました。
あとNagoya.Rもやれた。次は11月開催なので、また徐々に準備しないといけない。

読書会や研究会は、プライベートの方でいろいろあったりして、休みがちになってしまった。せっかく誘っていただいたのにすみません。
といってもプライベートを殺すわけにもいかず、できる限りということで、ご容赦ください。
そうそう、プライベートといえば、西と東にいる先輩がたのところに一度ずつ遊びに行かせていただいた。
大変お世話になりました。また僕がどこかに引っ越したら、遊びに来てください。

最後に、これはパーソナリティの話だけど、優柔不断、決断先延ばし、言うべきことをはっきり言わない、この3つは意識して直していきたい。
これのせいで多方面に多大なご迷惑をおかけしてしまった。申し訳ございませんでした。

ということで、後期からも、体を壊さない程度に馬車馬のように(共起しない?)働きたいと思います。

JASELE2016

獨協大学にて開催された第42回全国英語教育学会埼玉研究大会(JASELE)にて 「エッセイライティング中のライティング方略とポーズ」という発表をしてきました。スライドと配布資料、予稿をここで公開します。

配布資料

予稿


いろいろとご指摘いただければ嬉しいです。

個人的にオススメするパソコンの条件(大学生向け)

非常勤で情報科目を担当したりしていると、教え子の学生さんや周りの院生さんからパソコンに詳しい人だと思われて、「どういうパソコンを買えばいいんですか?」とか「おすすめのパソコンはありますか?」とかなんとか聞かれることがよくある。

実際はただのエンドユーザーなので、その筋の人から見ると全然詳しくはないのだけども、自分ならどういうパソコンをお勧めするかを、普段良く聞かれるトピックを中心に、素人なりにまとめてみたいと思う。

一応、大学生、もしくは高度な技術を必要としない大学院生の方で、課題でレポートや論文を書いたり、授業や学会で発表したりするのにPCが必要な、けどやたらと派手にPCにお金をつぎ込むことのできない方を念頭に置いて書いています。


【画面サイズ・重量】
「どんなのを買えばいいですか?」と聞かれたときに私が真っ先に聞くのが、「どこで使うものですか?」という質問。自宅で据え置きで使う(=持ち出す機会はまったくない)のか、それとも持ち運びがメインなのか、基本は据え置きだけどたまに持ち出す程度なのか、という具合に。その答えによって、お勧めするサイズや重量は異なってくる。

  • 自宅で据え置きで使う(=持ち出す機会はまったくない)場合:
    スペースが許す限り大きいものが良い。重量も気にしなくて良い。
  • 持ち運びがメインの場合:
    サイズは14インチ以下をお勧めする。これ以上大きいと、出先でPCを開くのが億劫になるし、あと重量が持ち運びにはつらいものになってくる。
    重量は1000g未満がベストだが、値段が高価になってくるし、画面サイズも小さいものが選択肢の中心になってくる(画面サイズが大きくて軽量なものは高価)。比較的安価なものを選ぶとしても、非力な方なら1300g未満、非力じゃない方でも1500g未満が望ましい。これ以上重いと持ち運びの際につらい。
  • 基本は据え置きだけどたまに持ち出す場合:
    これが結構難しい。据え置きでメインマシンとして用いる場合には、それなりの画面サイズがあることが望ましいので、最低でも12インチ以上のものがよいと思われる。それ以下だとメインマシンとして使用しづらくなってくる(画面サイズが小さいと、同時に複数のウィンドウを開いたりしにくくなるため)。
    重量のことを考えると、画面サイズは13~14インチくらい(1000g台後半)で収まるものがベストのような気はするが、力自慢の方がたまに持ちだすくらいなら、PC用のカバンが必須にはなると思うが、15インチ超え2000g前後でもなんとかなるような気もする。

 

【CPU】
これもどういう用途で使用するかによって回答が変わってくる。

WordやExcel、PowerPointを使うくらいであれば、IntelのCeleron(まだあるのかな?)とかCore i3とかの、デュアルコア(コア数が2)のものでもなんとかなると思う。予算に余裕があるのなら、少しグレードを上げてCore i5を選んでおけば大体の場合に不自由を感じることはないはず。
AMDのCPUはよくわからないのでごめんなさい。とりあえずコア数(AMDだとモジュール数?)が2以上だと良いと思います、はい。

大きいデータを扱ったり、複雑な計算が必要な分析をしたりする(もしくは今後する可能性がある)場合には、ここをケチると結局買い直しになって高くつくので、最初からクアッドコア(コアが4つ)のCore i7を選んでおくと良い。ただし、性能の良いCPUを載せると、バッテリーの持ち時間にも影響してくるので注意が必要。

持ち運びはしないので、CPUは高性能なもので」「持ち運びがメイン(=バッテリー持ちが大事)で、ヘビーな作業はしないので、CPUは少し抑えめの性能で」といった具合に、自分の用途をよく考えて選ぶのが良い(バッテリーについては後述)。

 

【メモリ】
8GBくらいあれば、ストレスを感じることはないと思う。最低でも4GB。OSの最低動作環境で2GBあれば良いとか書いてあっても、それはなんとか動作する最低レベルという話なので、信用なさらないように。もちろん予算に余裕があるなら、大きめのサイズを載せておくのが良い。

後にメモリを増設する予定がある場合は、パソコンが対応しているメモリの最大サイズと、装着できるメモリの枚数を確認しておく。そもそも増設ができない(しにくい)ものや、今付いている以上のサイズは認識しないという場合もある。

 

【記憶ドライブ】
記憶ドライブには、一般的にハードディスク(HDD)がよく用いられているが、個人的にはソリッド・ステート・ドライブ(SSD)をお勧めする。起動や動作の速さがHDDと比べて段違い(個人の感想)。あとHDDはSSDよりも少し重く(物理的な意味で)、また衝撃にも弱いため、そのあたりもSSDの方が優れている点だと思われる。

同じ値段のHDDとSSDを比較すると、SSDの方が容量は小さくなるが、WordやExcel、PowerPointを使うくらいならそれほど大容量の保存領域が必要になることはないと思うので、HDDを選ぶメリットもないだろう。経験上、128GB~256GBくらいの容量があればなんとかなるように思う。

仮に、大量の写真や動画などの大容量データを持ち運ぶ必要(そんな必要ってめったにないとは思うが)のある場合は大容量のSSDを選ぶか、小容量のSSDと外付けのHDDを組み合わせて使うのがよいだろう。たまにしか使わない大容量データのために、普段の使用感・サクサク感を犠牲にするのは馬鹿げているもったいない気がする(個人の感想)。

 

【バッテリー】
PCを出先で使う場合。これも難しいが、仮に持ち運びをする際にバッテリの心配をしたくないということであれば、カタログ値で10時間前後のものを目処にすると良いと思う。それくらいあれば、例えば学会でプレゼンをする場合でも、ホテルを出てから帰るまで、発表時間外に多少スライドの手直しをしたり、発表や講演のまとめをしていたとしても、一日充電が必要になることはないと思われる。あ、もちろんカタログに10時間と書いてあるからって実際10時間持つわけじゃなくて、それくらいの性能なら一日なんとかなるだろうという、予想の話。つけっぱなしなら、そんなにも持たないと思う。

カタログ値が10時間未満でも、控えめに使えば一日持つとは思うが、もし5時間未満なら、万が一に備えてアダプタ携帯が必須という印象。

あと、カタログ値を見る際に気をつけてほしいのが、バッテリ動作時間の測定法だ。この測定法は一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)というところが出しているもので、Ver1.0Ver2.0がある。JEITAの測定法の違いについては、以下に詳しい。
http://japanese.engadget.com/2014/02/21/jeita-v2-0-13-qvga-mpeg1-hd-h-264-lan/

Ver2.0の方が、1.0よりも現実の使用場面に近い条件下で測定がされているので、実際に値を見るときは、2.0のものを見るようにする。書かれている数値がVer1.0のものか2.0のものかは、カタログのバッテリ動作時間の横に小さく書かれていたり、※で注釈がついていたりするので、注意深く探してください。

 

【映像出力】
PCの画面をプロジェクタに投影する場合の、接続端子について。学会などに行くと、機器トラブルのほとんどがこれ。

基本的に、多くの大学や学会会場のプロジェクターで対応しているのは、15ピンのD-sub端子。一般的には、D-subとかVGA端子とか呼ばれているが、これが付いているものを選ぶのが一番安全。

MINOLTA DIGITAL CAMERA

ただ最近のPCは、薄型化の影響か、アナログ→デジタルという社会の動きからか、D-sub端子が搭載されていないものも多く、代わりにHDMIや、micro HDMIDisplayPortMini DisplayPortといった端子が備わっているものが多い。これらの端子しかない場合、これらをD-subに変換するケーブルを別途購入する必要がある。ただし、変換がうまくいかない場合も多々あるので、発表時に映像出力がうまくいかなかった際に自力で何とかする自信のない場合は、D-sub端子の付いているものを選ぶのが一番確実だろう。

といっても、徐々にHDMIに対応してきた大学や学会会場も増えてきてはいるので、先のことを考えると、D-subに加えてHDMIも付いているPCがいいと思う。

余談だが、発表用PCが会場に備わっている学会は親切で、大抵の場合PCを持参する必要がある。あと、VGAへの変換ケーブルも会場には備わっていないので、自前で持ってくるのが普通。発表時にスライドを投影する場合、PCないし変換ケーブルはきちんと持参しましょう(自戒を込めて)

 

 

【ソフト】

Microsoft Office は持っているとと便利。最低でもWord、Excel、PowerPointの入っているグレードのものを選ぶ。

もちろん廉価版のOfficeソフト(Kingsoft Officeなど)や無料のOfficeソフト(LibreOfficeなど)を使ってもらってもよいが、授業の課題や論文投稿時には、Wordファイルで余白は何mmで、、、とか細かい条件を指定される場合もある(私はしませんが)。そういう場合、一度LibreOfficeなどで作成したファイルを、Microsoft Officeのファイル形式に保存しなおして、Microsoft OfficeがインストールされているPC上で、レイアウトなどのズレを確認する工程が必要になったりして、結構面倒(個人の感想)。なので、面倒が嫌いな方は、Microsoft Office を持っておいて損をすることはないと思う(個人の感想)。

あとは、大学ではPDFファイルを使用することが多いので、もしPC購入時に、定価よりも廉価に買えるオプションが付いているのであれば、Acrobatを購入しておくと後々役立つこともあるかもしれない。


こんなものだろうか。また気づいたら追記します。

追記(2016.11.15)

  • タッチパッドのボタンがカチャカチャ、バコバコとうるさい機種はダメ
    • 授業中とか発表中とても耳ざわり
  •  キータッチがスカスカの安っぽい機種はダメ
    • タイピングが嫌いになる

ただし以上の内容は、私個人の偏見に満ちた感想であり、これを真に受けたことによって被るいかなる損害に対しても、責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

PowerPoint 2016のフォントサイズ変更のショートカットキー

これまではOffice 2007を使っていたのだけど、今期から非常勤先の一つがOffice 365を提供してくれることになったので、最近はおこぼれにあずかってOffice 2016を使っている。

Office 2016には全体的に不満はないのだけども、唯一困っているのが、PowerPoint 2016のフォントサイズを大きくしたり小さくしたりするショートカットキーが、 PowerPoint 2007のそれと変わっているということだ。

PowerPoint 2007では、 Ctrl + ] でフォントサイズを大きく、 Ctrl + [ でフォントサイズを小さくすることができた。

だが PowerPoint 2016では、 この Ctrl +[ or ] が使えなくなっていた。なので、大きくするときには  Ctrl + Shift + > を、 小さくするときには Ctrl + Shift + < を使うことになる。

photo1

Ctrl + Shift + > or < というショートカットキー自体は昔から、少なくともOffice 2007にはあった(のは知っていたが、3つのキーを押さなければいけないので敬遠していた)。これはデフォルトで決まっているフォントサイズを行ったり来たりするもの(…10, 10.5, 11, 12, 14, 16…のような感じ)。

一方、 Ctrl +[ or ] は、単純にフォントサイズを1ずつ増減させるというもので(…10, 11, 12, 13, 14…のような感じ)、もちろんOffice 2016でもこの2つは同様に使うことができる…はずなのにPowerPointでは使えないのは何故だろう。

ちなみにWord 2016やExcel 2016では、今までどおり Ctrl +[ or ] 、Ctrl + Shift + > or < ともに使えているので、どうやらPowerPointだけが仕様変更したようだ。もしくは、自分だけに起こっている、PowerPoint 2016のバグなのだろうか。

いずれにせよ、今まで直感的に使えてきた機能が急に使えなくなるというのは、なかなか困ったことだ。

授業の振り返りシート

先日、非常勤先のFD研修会にある高名な先生がいらっしゃるとのことで参加させていただいた。

その中に「大福帳」についてのお話があった。

大福帳については以下に詳しい。

https://kogolab.wordpress.com/授業のデザイン/大福帳/すべての授業で大福帳を使おう/

https://kogolab.wordpress.com/授業のデザイン/大福帳/大福帳テンプレート/

前任者である先輩から授業を引き継いだときに、「こういうの使うといいぞ」と教えていただいて、「振り返りシート」という名前で以下のようなものをA4サイズに印刷して使っていたのだが、これも大福帳の一つの形だろう。

振り返りシート-001

ただ、授業を1年やった中で、感想に「おなかすいた」とか「ねむかった」とかそういうのばかり書いてくる学生さんをたくさん見てきたので、「感想を書け」とだけ言われても何を書いたらいいのかわからないというのもあるのかなあとか、どうせ書くなら、ポートフォリオみたいな、そういう後になって学びを振り返れるようなものがいいかなあとか、いろいろ考えた。

それで、今年度の後期からはこういう感じにマイナーチェンジしたものを、A3サイズに印刷して使っていた(実際に使っていたものとは少し異なるが、理由は後述)。

振り返りシート_20160302

振り返りシート_20160302(PDF)

項目は小テストの得点のほか、「できたこと/わかったこと」、「できなかったこと/わからなかったこと」、「感想」となっている。

実は後期に実際に使っていたものは、「できたこと」・「できなかったこと」という項目になっていた。「わかったこと」・「わからなかったこと」という記述は、後期が終了した後に追加した。これは、他の人の発表を聞くような回では、できたことを書けと言われても「人の話をちゃんと聞けた」くらいのことしかなくて、何を書いたらいいのかわからないという苦情があったからだ。

「授業内の質問」というのは、「今おなかすいていますか?」みたいな質問ではなくて、授業内容に関わるような質問のこと。以下のページの「発問即テスト法」を見て「いいな」と思って取り入れてみた。

https://sites.google.com/site/zukeshomepage/publications/practical-papers/030-wakaru

このシートをしっかり書きさえすれば、出席回数、小テストの得点から、自分がどのような内容を学んできたのかまで一目瞭然、とは言いすぎだが、少なくとも授業の中でやってきたことは把握しやすいのではないかと思っている。
少なくとも、成績評価の際に出席回数の確認はすぐできるし、小テストがどの程度の出来なのか一目で把握できたりと(さすがにここに書かれた得点をそのまま評価の際に使うのは躊躇するが)、教員側にとってもなかなか便利ではある。

 


そういえば、研修会の中で、eラーニング教材向けの動画作成ソフトの話があって(むしろこちらが本筋)、いろいろと使えそうで非常に興味深いお話だったのだけど、それについてはまた後日。

順位相関係数の信頼区間の算出

何度もやってるのにどうも覚えられないのでここにまとめてメモ書き。

自分の研究は、質問紙などの順序尺度データだったり、正規性のないデータだったりを使うことが多いので、相関分析をする場合には必然的にピアソンの積率相関係数ではなく、順位相関係数を使うことが多い。

基本的にはスピアマンを使っているが、ケンドールが報告されているのをあまり見かけないのでいつかドヤ顔で使ってみたいという厨二心もある。

順位相関係数を出すだけならすぐにできる。Rだとこう(ダジャレではない)。

> cor(dat, method=”spearman”) #スピアマン

> cor(dat, method=”kendall”) #ケンドール

無相関検定とか信頼区間の算出をする場合はcor.test関数を使う(引数が2つ必要なことに注意)。

> cor.test(dat[,1],dat[,2],method=”spearman”)

Spearman’s rank correlation rho

data: dat[, 1] and dat[, 2]
S = 459.55, p-value = 0.001742
alternative hypothesis: true rho is not equal to 0
sample estimates:
rho
0.6544704

警告メッセージ:
cor.test.default(dat[, 1], dat[, 2], method = “spearman”) で:
タイのため正確な p 値を計算することができ

はいでてきt、あ、あれ?

調べてみるとcor.test関数では、ピアソンの積率相関の場合のみにしか信頼区間を出してくれないらしい。

http://www.inside-r.org/r-doc/stats/cor.test

次はこれを試してみた。corrgramパッケージのcorrgram関数。信頼区間が一気出しできるpanel.confオプションが便利。

https://cran.r-project.org/web/packages/corrgram/corrgram.pdf

だがここにも落とし穴。

結局は中でcor.testが動いているので、順位相関では信頼区間が出せないいうことだそうだ。

はてさて、困った。


【解決策1】

langtestを使う。スピアマンでもケンドールでも使える。一番簡単かつ手っ取り早い。

http://langtest.jp/shiny/cor/

【解決策2】

スピアマンの場合、DescToolsパッケージのSpearmanRho関数を使う。

https://cran.r-project.org/web/packages/DescTools/DescTools.pdf

1,2番目の引数には変数、3番めの引数では

> library(DescTools)
> SpearmanRho(dat[,1],dat[,2],conf.level=0.95)
rho lwr.ci ups.ci
0.6544704 0.2983596 0.8506335

この結果はlangtestの結果と一致する。

【解決策3】

これもスピアマンの場合。RVAideMemoireパッケージのspearman.ci関数を使う。

https://cran.r-project.org/web/packages/RVAideMemoire/RVAideMemoire.pdf

これは上の2つとは違い、スピアマン順位相関のブートストラップ信頼区間を出してくれる。

> library(RVAideMemoire)
*** Package RVAideMemoire v 0.9-52 ***

> spearman.ci(dat[,1], dat[,2], nrep=1000, conf.level=0.95)

Spearman’s rank correlation

data: dat[, 1] and dat[, 2]
1000 replicates

95 percent confidence interval:
0.2263722 0.9238737
sample estimates:
rho
0.6544704

【解決策4】

これはケンドールの場合のみ。NSM3パッケージのkendall.ci関数を使う。

https://cran.r-project.org/web/packages/NSM3/NSM3.pdf

どうもこの本の計算方法に基づいて信頼区間を算出するようだ。

> kendall.ci(dat[,1], dat[,2], alpha=0.05, bootstrap=F) #漸近解析を使う場合

1 – alpha = 0.95 two-sided CI for tau:
0.187, 0.867

> kendall.ci(dat[,1], dat[,2], alpha=0.05, bootstrap=T, B=1000) #ブートストラップを使う場合

1 – alpha = 0.95 two-sided CI for tau:
0.109, 0.838

ブートストラップを使用する場合は、Bの部分で抽出回数を指定する。

 

いろいろ種類があって、どれを使うのがいいかはよくわからないし、もう全部langtestでOKじゃなかろうかと思ったりもするが、手数は多いに越したことはないだろう。

【追記1】2016.03.13

このようなご指摘があったのでここで紹介させていただきます。

 

【追記2】2016.03.27

Nagoya.R #15にて、このブログの内容について発表しました。以下は発表スライドです。

【追記3】2016.03.27

スピアマンの順位相関係数の信頼区間について、以下のページをご紹介いただきました。

スピアマンの順位相関係数の信頼区間 – 裏 RjpWiki

cor.test関数とrank関数の組み合わせで算出した信頼区間と、ブートストラップで算出した信頼区間との間には大きな差はないようだ。

2015年振り返り

誰にも頼まれていないけどこの一年の振り返りを。
そういや去年はもうちょっとギリギリに書いていたような気がする。
トドを前倒しでできるようになったということか(違

今月、昨年 Language Education & Technologyに投稿した筆頭著者の論文が2本とも採択(条件付き)されたのが今年一番の収穫です。ただいま絶賛修正中です。
研究業績というものは他人と比較するようなものでもないとは思うのですが、同世代の人に水を開けられて焦っていたのも事実なので、何はともあれ一気に2本採択されたのは良かったです。
その他にも、年明けに共著者として名前の入った論文がARELEに2本採択されたり、その他の論文も刊行されたり、本数的には結構やれたと思います。
ただし今年は全然書けていないということは反省点です。「お前院生のくせに何やってるんだ」とよく言われますがまさにそのとおりなので、来年はしっかり書きたいです。

発表は9本、うち1st(実質)は6本できました。
初めての英語での発表(ポスターだけど)もできたので、来年は口頭発表が英語でできればと思います。
久しぶりに単独発表もしたりして、一人でもできる手応えみたいなものもありました。

一方で博論は(ry
ごめんなさい、来年から全力出します。
絶対的にインプットが少ないのに、その割にアウトプット(発表)ばかりしてるので、来年度は発表をちょっと減らしてしっかり勉強しようかなあと思ったりもします(毎年思ってる

Nagoya.Rも2回開催できたのはよかったです。来年は定期開催できるといいなと思ってます。

非常勤は、勤務先、授業数が増えて、時間のかなりを授業準備や移動時間に割くことになりました。
授業は好きなので(下手の横好き)苦にならなかったのだけど、早朝出勤、長時間の移動はつらかったです。
授業準備が前日に終わらず、電車の中でやるということも多くなり、時間を要領よく使うことの大切さを痛感しました。

基礎研では、今年も事務局長としていろいろやらせてもらいました。
あと、6月に母校で開催されたCELES和歌山大会では、運営委員としてサイト運営や機器管理を担当させてもらいました。
事務仕事がそこそこできることだけがとりえだったのに、最近は仕事が遅くなってしまったり、部会長の田村さんにいろいろやってもらうことも多かったりしたので、来年は他の人に迷惑をかけないように効率よく仕事をこなしていくことを心がけたいです。

gksnとか研究助成にことごとく落ちたり、お金がないのにパソコンを新調したり、研究書を買ったり(そして書棚の肥やしにしたり)とお金に羽が生えて飛んでいった一年でもありました。

あと今年は牛丼とラーメンをよく食べました。来年もたくさん食べたいですね。

公私ともいろいろありましたが、まあこんな感じです。
来年もどうぞよろしくお願いします。