国内の英語教育関連学会大会の中止・延期等の対応のメモ

2020年4月16日現在の自分用のメモです。気が向いたときに随時更新しています。実施予定と明記されているものを「実施予定」、実施か中止かに関係なく対応が明記されていないものを「記載なし」としてあります。情報の正誤に責任は持てませんので予めご了承ください。

以下、英語教育系ではないけど自分が会員の関連しそうな学会

「Rを用いた〇〇入門」ワークショップを担当するときの注意点

去年のFLEAT VIIでのワークショップは、時間(もとい時間のマネジメント)不足でだいぶ消化不良に終わってしまった。参加者の皆様には申し訳なく思っております。。

今回は、単なる“R”の入門講習ではなく“Rを用いた統計処理” の入門講習という依頼だったので、Rの入門だけで終わるわけにもいかずにいろいろ詰め込んでいたのだけど、それが裏目に出てしまった。

ほとぼりも冷めたと思うので、今後のために(これから先、そんな話は来ないかもしれないけど)、 純粋なR入門講習ではなく、Rを用いた〇〇入門講習という、時間に制約のあるワークショップを担当するときの、自分なりの注意点をまとめておきたい。

環境を統一する

今回は、会場PCだけでなく各自持参したPCも使用可能とした。その結果、Windows/Macネットに繋がっている/いないRStudioが入っている/いない会場PCを使用する/しないなど、参加者の環境が様々で、トラブルシューティングにかなり時間を食ってしまった。WSの時間は限られているので、そういった時間のロスは避けたい。したがって、参加者のPC環境を事前に、できるだけ統一しておくことが望ましい

一番楽な方法は、会場PCのR/RStudioを使うことだろう。 [efn_note] ただし、この方法では、WS終了後に各自のPCで会場PCと同じ環境を再現できない人が出る可能性がある。 [/efn_note] 環境が全員一緒なのでサポートもしやすいし、ネットワーク接続も確保されている。

持ち込みPCを使用する場合は、生RもしくはRStudioのどちらを使用するかを予め決めておく。個人的には、RStudio入門講習でないのであれば、生Rでいいのではないかと思う。RStudioの使い方を説明してるうちに、肝心の中身の時間が減ってしまうのは避けたい。

また、追加でパッケージのインストールを行うことになるので、ネットワークへの接続も前提としておく。 [efn_note] どうしてもネット環境が準備できない場合は、事前に参加者各自でインストールしておいてもらうという方法もあるが、R自体の入門者がいた場合には難しい。 [/efn_note] 会場の無線LANの情報を提示する、会場に無線LANがないなら各自での準備をお願いする、といった対策が必要だろう。

受講対象者を絞る

今回は、特に受講対象者は指定していなかった(と思う)。実際は、参加者のRスキルやPCスキルは様々で、これもWSの進行上悩ましい問題である。

今思えば、このツイートで先輩先生がおっしゃったとおり、受講対象者を絞るべきだったと思う。「変数への代入、データの読み込み、関数の読み込みなど、Rの基本的な操作ができる方」「Rは使っているが、〇〇パッケージを用いた〇〇はできない方」といった具合に、どういった層に向けてのWSなのかを明示する。そうすれば、ある程度は参加者の足並みを揃えることができたはずだ。さすがにPCスキルについて言及するのは野暮だと思うけど、もしかすると言ったほうがいいのかもしれない。

ハンズオン中心か、トーク中心かを決める

今回は、ハンズオンも入れつつトークも入れるという、半々の形であった。要するに、どっちつかずである。

先のツイートの先輩先生は、「話す内容を削ってハンズオンの時間を入れるといい」というアドバイスをされていたが、一方で別の先輩先生からは、「ハンズオンなしで全部トークにすればいい」というアドバイスもいただいた。

これはどちらも正しいと思う。つまり、どっちつかずではなく、どちらの形式を中心とするかを決めないといけないということだろう。まずはWSの目的に合った形式を選ぶ。もし技術の習得を目的とするならハンズオン中心とし、いちばん大事なハンズオンの時間をしっかり確保する。もし知識・考え方の習得を目的とするならトーク中心とし、ハンズオンはなし、もしくは必要最小限にしたほうがよい、ということだろう。

まとめると

以下のようなことを予め決めておいて、その上でアブストラクトに記載しておくとよい。

  • 使用PCやRStudioの有無など、環境を指定する
  • WSの対象となる層を具体的な条件で絞り込む
  • ハンズオン中心でいくか、トーク中心でいくかを決める

逆に言えば、受講する側はこれらを事前に確認しておけば、参加したけど期待はずれだった、みたいな事態を避けやすくなるのではないかと思う。

書き上げてから、これってRを用いた〇〇入門講習だけじゃなくて、R自体の入門講習にも同じことが言えるなって思った。まあいいや。


LET2016の公募シンポジウム

LET全国大会の公募シンポジウムで登壇した際のスライドを諸事情で公開していなかったのですが、今になって公開しました。


私は二番手で登壇して、外国語教育研究において、質問紙や尺度を、作成・翻訳・使用する際の注意点のようなものについてお話させていただきました。基本的には、以下の参考文献など、いろんなところで示されているいろんなお作法についてまとめさせていただき、それらに触れた上でちょこちょこと自分の考えを散りばめたものです。

稲田尚子 (2015).「尺度翻訳に関する基本指針」 『行動療法研究』41, 117–125.

前田啓朗 (2000).「構成概念の妥当性の検証―日本の英語教育学研究における傾向と展望」『外国語教育評価学会研究紀要』3, 119–126.

前田啓朗・大和知史 (2000). 「構造方程式モデリングによる高校生の言語学習方略使用と言語学習達成の分析:SILL で得られたデータのより適切な分析と結果の提示方法の提案」Language Laboratory, 37, 143–162.

Mokkink, L. B., Terwee, C. B., Patrick, D. L., Alonso, J., Stratford, P. W., Knol, D. L., Bouter, L. M., & de Vet, H. CW. (2012). COSMIN checklist manual.

土屋政雄 (2015).「尺度研究の必須事項」『行動療法研究』41, 107–116.

ただ尺度の作成方法についても、流派というかいろんな考え方があると思いますし、このスライドで紹介したCOSMINチェックリストにしても、そもそも他分野を対象としているチェックリストなので、これに基づいてさえいれば何でもよいということでもないと思います。あと妥当性についても、Borsboomのような過激な主張の人もいたりして、人生いろいろ、妥当性観もいろいろということで、とにかくいろいろあります。それこそ確定基準(gold standard)なんてものはないので、あとは目的に応じて取捨選択してくださいということです。まあそれをいい塩梅にやるのがとっても難しいわけですが、知っているのと知っていないのでは、後者のほうがよいだろうということで。

勉強すれば色々出てくるもので、自分も昔作った尺度を今からもう一度作り直したくて仕方ないくらいですが、少しでも良い物差しが作れるよう研鑽を積んでいきたいと思いました。

JASELE2016

獨協大学にて開催された第42回全国英語教育学会埼玉研究大会(JASELE)にて 「エッセイライティング中のライティング方略とポーズ」という発表をしてきました。スライドと配布資料、予稿をここで公開します。

配布資料

予稿


いろいろとご指摘いただければ嬉しいです。

LET2015 雑感

本当に雑感です。

8月4-6日、大阪で行われた外国語教育メディア学会全国大会に参加してきました。

今回は、単独研究の発表が1本、共同発表者としての発表が1本、公募シンポジウムの登壇者としての発表が1本、合計3本の発表がありました。全国大会での単独の研究発表は実は初めてだったのですが、なんとか無事に終えることができてよかったです。

コメントをくださった先生方、会場にお越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。なんとかひとつの研究として形にできるよう、頑張っていきたいと思います。

体力的にちょっと無茶をしたような気はしましたが、まだ少しくらいは無理がきく体ではあるようです。丈夫に産んでくれた両親に感謝です。

あ、私の発表スライドはこちらからご覧になれます(シンポジウムのスライドは少々お待ちください)。

長らくご無沙汰していた先生方とも久しぶりの再会ができて、とても楽しい時間を過ごすことができました。

最後に、大会実行委員の先生方、本当にありがとうございました。ここ最近、学会運営の真似事のようなことを経験してきたことで、大きな学会大会を回す大変さがよくわかりました。

裏方で動いてくださっている方への感謝の気持ちを持って、これからも学会に参加していきたいと思います。

追記(2015.08.10)

シンポジウムのスライドを公開しました。

あまり上のと変わりばえしない。。

2014年夏の学会発表

この夏に開催される関連学会にて筆頭発表者としていくつか発表をさせていただくことになっているので,ここにまとめていきたいと思います。あと筆頭発表者ではないものもまとめさせていただいてます。

(スライドの内容は発表直前まで改変される場合があります)


まず 8月4日から6日まで福岡大学にて開催される外国語教育メディア学会(LET) 第54回 全国研究大会にて発表させていただきます(私の発表は2日目です)。

タイトルは「新しいコンピュータ支援語学学習態度尺度作成の試み:英語を学習する大学生を対象として」です。草薙邦広さん(名古屋大学大学院)との共同研究です。「コンピュータ支援語学学習態度尺度」という尺度を作成して,その妥当性,信頼性を検証するという内容です。

発表スライドはこちらです。


 

なお,同日に(というより発表の直後に)石井雄隆さん(早稲田大学大学院),石井卓巳さん(筑波大学大学院),草薙さん,阿部大輔さん,福田純也さん(いずれも名古屋大学大学院)との公募シンポジウムにも登壇します。「ライティング・プロダクトからライティング・プロセスへ―Writing MaetriX Corpus Project―」というタイトルです。ライティングプロセス記録・分析ソフト「WritingMaetriX」を用いて記録したデータで大規模なライティングプロセスコーパスを作成しようという試みについての内容です。


LETが終わった後は,名古屋に戻らずそのまま移動して8月9日,10日に徳島大学にて開催される全国英語教育学会 (JASELE)第40回徳島研究大会にて発表させていただきます(発表はこれまた2日目です。)。

こちらは「エッセイライティングにおける増加語数の時系列推移傾向はエッセイ評価を予測するか―線形回帰モデルおよびポアソン分布へのフィッティングを用いて―」というやたら長いタイトルのものです。こちらは室田大介さん,後藤亜希さん(いずれも名古屋大学大学院)との共同研究です。記録したライティングプロセスを線形回帰モデル(最初から最後まで一貫して語数が伸び続けるライティングプロセス)とポアソン分布(望ましいとされるライティングプロセスに形が似ている)にあてはめてみて,それぞれへの当てはまりのよさがエッセイの評定と相関するかを見た研究です。

発表スライドはこちらです。


 

同じ2日目には,草薙さんをはじめとした名古屋大学チームの共同研究発表「外国語における文法的慎重性尺度の開発」もあります。こちらは,「文法的慎重性」という学習者固有の要因を測定する質問紙の作成を行い,その妥当性や信頼性を検証したものです。


関心のある方はぜひお越しください。ご指導・ご助言をよろしくお願いします。

Nagoya.R #11,終わりました

こんばんは。

先日Nagoya.R #11が開催されました。

今回私は入門者講習を担当させていただき,なんとか無事(?)終えることができました。

拙い講習を優しく見守ってくださったオーディエンスの皆様ありがとうございました。

 

SlideShareに入門者講習にて使用したスライドを一部改変したものをアップしていますのでよろしければご覧ください。

このスライドの作成にあたって,天野修一先生,阪上辰也先生の以前の入門者講習の資料を参考とさせていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

また,Ustreamにて入門者講習の中継(録画)が試聴できますので,こちらもよろしければご覧ください。
http://www.ustream.tv/recorded/41452159

 

これで今年(2013年)の発表が全て終了したことになります。

残すは来月上旬の修論の提出です。年末年始返上でがんばります。