育休をとりました

昨年、妻が産後1か月間の里帰りから自宅に戻ってくるタイミングで、2週間の育児休業を取得しました。大学教員である父親(私)が育休を取得するに至った経緯と、育休中の授業の扱いについて書いておきたいと思います。

なお私が取得したのは、正確には「産後パパ育休」というものです。詳細は厚生労働省のページで確認してもらえればと思いますが、通常の育休よりも融通のきく、短期の育休のようなものです。

育休取得に至る経緯

もともと上の子が生まれたときは、今の大学に着任した直後で育休がとれなかったので、次の子のときこそは、と思っていました。また、大学の人事部から育休取得の案内が配信されたことも、取得の後押しになりました。あと、自分が育休をとれば、この後父親になる他の男性の先生も育休がとりやすくなるのでは…という気持ちもありました。

まず春ごろに、所属する英語教室の主任の先生に育休取得を希望していることをお伝えし、快く了承をいただきました。

現実的に育休の間の担当授業をどうするかという問題があったので、人事部に問い合わせて、聞いてみました。すると、特に授業の取り扱いに関する方針のようなものはないので、所属部局のほうで相談・対応してもらいたい、ということでした。このタイミングで、育休期間を2週間とすることに決めました。2週間なら、「育休期間中のすべてのコマについて通常の休講と同様に補講で対応してほしい」などと言われても、何とかなるかなと思ったからです(幸いそうは言われませんでしたが)。

次に、所属する教養部の部長に相談し、育休期間中の授業の取り扱いについて関連部署に確認をとっていただきました。うちの職場ではあまり前例のないことだったので、多方面との調整をしてくださったようです。

育休中の授業・業務の取り扱い

最終的に、同じ時限に開講されている他クラス担当の先生による合併授業や、他の先生による代講を基本としつつ、先生が見つからないコマや、授業の性質・形態上、他の先生が担当しにくい授業については、オンデマンド授業対応でも可、という形で認めてもらいました。結果として、同僚の先生方にほとんどの授業の合併授業・代講を引き受けていただき、オンデマンド授業は最小限で済みました。

オンデマンド授業については、土日を休業期間から外し(産後パパ育休では育休を分割して2回取得することができます)、課題の作成・配信やフィードバックを土日に行う形で対応しました。育休期間に入る前に、課題をだいたい準備しておいたので、それほど時間はかかりませんでした。また、メールやメッセージへの対応等の業務も、土日のまとまった時間で対応しました。

ちなみに産後パパ育休では、事前申請の上で休業期間中の就業が認められていますが、「労使協定を締結している場合に限り」という条件があります。そういう仕組みをよくわかっていなかったのと、育休中はなるべく育児に集中したいという気持ちがあったので、使いませんでしたが、この仕組みを使えば、もっと上手に育児と仕事の両立ができるのかもしれません。

育休中の様子

こうして、無事に育休に入ることができました。とはいえ、今回生まれた下の子は割とよく寝てくれる子だったので、どちらかと言えば、赤ちゃんが生まれてハイテンションな上の子をケアする方が大変でした。育児は育児なので、こんなのもまあありだったのかなと思います。もちろん、下の子との時間、家族全員の時間もしっかり過ごすことができたと思います。

育休をとらずに普通に仕事をしていても、朝や夜は赤ちゃんと一緒の時間を過ごすことはできます。しかし、育休をとると、まとまった時間を一緒に過ごせるというのがいいですね。そして、ブートキャンプ的に育児のスキルを集中的に鍛える期間にもなります。今回は第二子ということで、リハビリ的な感じではありましたが。第一子のときに育休がとれていたらもっとスムーズに育児に入ることができたのかな、とも思います。

なお、仕事については、上述の通り、土日に授業とメール・メッセージに対応しただけで、あとは仕事らしい仕事はしませんでした。ちょっと本でも読むか…と思ったりもしましたが、なかなか思うようにはできず、前に話題になった「育休中のリスキリング」の難しさを痛感しました。仕事と子育てを段取りよく両立されている先生方には尊敬の気持ちしかありません。

感じたこと

育休取得にあたっては、理解ある職場・同僚の存在は大きかったです。合併授業や代講を快く引き受けてくださったり(決してうちの職場のマンパワーに余裕があるわけではありません)、育休をとりたいと希望を伝えたときに、どの先生からも前向きなお返事をいただけたり、育休をとることを前提として話を進めてくださったのはとてもありがたかったです。理解のある職場、余力のある職場でなかったら、私も育休をとることを躊躇しただろうし、相談してもネガティブな反応だったり、「とれるかどうかわからないけど…」という前置きばかりだったら、「やっぱりやめときます」となっていたかもしれません。

また、どれだけ同僚の理解があったとしても、「合併授業や代講を他の先生にお願いするとご迷惑になるから…」と申し訳なさを感じたり、遠慮してしまう人もいるでしょう。実際私もかなりの申し訳なさを感じながら合併授業や代講をお願いしました。なかなか難しいかもしれませんが、育休取得時にオンライン授業やオンデマンド授業を活用できるような制度になっていると、取得する側としてはとてもありがたいなと思いました。

幸い私の場合は、自分が休むと回らなくなってしまう業務は担当してなかったのですが、大学教員には授業以外の業務も多くあります。育休中にそういった業務をどうするかという問題もあると思います。他にもクリアしないといけない問題はたくさんあると思いますが、大学がもっと父親が育休を取得しやすい環境になってくれるといいなと思います。

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