LET2016の公募シンポジウム

LET全国大会の公募シンポジウムで登壇した際のスライドを諸事情で公開していなかったのですが、今になって公開しました。


私は二番手で登壇して、外国語教育研究において、質問紙や尺度を、作成・翻訳・使用する際の注意点のようなものについてお話させていただきました。基本的には、以下の参考文献など、いろんなところで示されているいろんなお作法についてまとめさせていただき、それらに触れた上でちょこちょこと自分の考えを散りばめたものです。

稲田尚子 (2015).「尺度翻訳に関する基本指針」 『行動療法研究』41, 117–125.

前田啓朗 (2000).「構成概念の妥当性の検証―日本の英語教育学研究における傾向と展望」『外国語教育評価学会研究紀要』3, 119–126.

前田啓朗・大和知史 (2000). 「構造方程式モデリングによる高校生の言語学習方略使用と言語学習達成の分析:SILL で得られたデータのより適切な分析と結果の提示方法の提案」Language Laboratory, 37, 143–162.

Mokkink, L. B., Terwee, C. B., Patrick, D. L., Alonso, J., Stratford, P. W., Knol, D. L., Bouter, L. M., & de Vet, H. CW. (2012). COSMIN checklist manual.

土屋政雄 (2015).「尺度研究の必須事項」『行動療法研究』41, 107–116.

ただ尺度の作成方法についても、流派というかいろんな考え方があると思いますし、このスライドで紹介したCOSMINチェックリストにしても、そもそも他分野を対象としているチェックリストなので、これに基づいてさえいれば何でもよいということでもないと思います。あと妥当性についても、Borsboomのような過激な主張の人もいたりして、人生いろいろ、妥当性観もいろいろということで、とにかくいろいろあります。それこそ確定基準(gold standard)なんてものはないので、あとは目的に応じて取捨選択してくださいということです。まあそれをいい塩梅にやるのがとっても難しいわけですが、知っているのと知っていないのでは、後者のほうがよいだろうということで。

勉強すれば色々出てくるもので、自分も昔作った尺度を今からもう一度作り直したくて仕方ないくらいですが、少しでも良い物差しが作れるよう研鑽を積んでいきたいと思いました。

2016年度が半分終わったところで中間振り返り

いつも年度末に振り返りをしているけど、それだけだと1年に1回しか改善の機会がないので、年度も半分を過ぎたところで、一度振り返りをやっておこうと思う。

前期の研究成果は、論文(査読無し)1本と、自分が1stでしゃべった口頭発表・シンポジウム発表が2本。もう少しやれたのではないかと反省。あとは1st以外の共同研究が2本。

発表は、時間をきっちり守ることだけが取り柄だったのに、無駄なおしゃべりと練習不足のせいで、発表時間が守れなくなってきた。
まあしゃべる中身がなくて、無理やりゆっくり話していた昔と比べたらマシだろうか。今後はしっかり練習して臨みたい。

博士論文はなかなか進まなかったが、ただまあ、半期サボったおかげで色々思考がまとまってきた。とか言って進捗がないことを正当化してみる。
ゼミや研究会では、まとまりのない計画の一端を発表させていただいた。建設的な意見をたくさんいただいたので、ぜひ取り入れていきたい。
みなさん、ありがとうございました。

投稿論文の方も、なかなか書き進められず歯痒い思いをした。
5月に某報告論集から急遽投稿要請があったので、英語で書きかけて放置していた論文1本を日本語に直して投稿した。
遅筆でご迷惑をおかけしすみませんでした。グズグズしてるからこうなる。

いつまでもグズグズしていてはダメなので、今年度は10月〆切のジャーナルに初挑戦する予定。あと11月〆切のジャーナルの投稿申し込みもした。
どちらも英語で書く予定なので、どんどん前倒しでやっていく。

非常勤は5コマやりきった。今期からいろいろと新しい試みをやってみた。
教員としてはまあまあの手応えだったが、学生さんからしてみるとどうなんだろう。正直な意見が聞きたいところ。
その新しい試みのせいで授業準備に時間が割かれて研究ががが…というのはみっともない言い訳。こういうことは金輪際言わないようにしようね。

研究部会の運営は、あんまり仕事がなかったのでよかった。と言いつつも、ちゃっかりイベントを1本開催させてもらった。
遠路はるばるお話に来てくださった先輩には感謝しきりです。本当にありがとうございました。
あとNagoya.Rもやれた。次は11月開催なので、また徐々に準備しないといけない。

読書会や研究会は、プライベートの方でいろいろあったりして、休みがちになってしまった。せっかく誘っていただいたのにすみません。
といってもプライベートを殺すわけにもいかず、できる限りということで、ご容赦ください。
そうそう、プライベートといえば、西と東にいる先輩がたのところに一度ずつ遊びに行かせていただいた。
大変お世話になりました。また僕がどこかに引っ越したら、遊びに来てください。

最後に、これはパーソナリティの話だけど、優柔不断、決断先延ばし、言うべきことをはっきり言わない、この3つは意識して直していきたい。
これのせいで多方面に多大なご迷惑をおかけしてしまった。申し訳ございませんでした。

ということで、後期からも、体を壊さない程度に馬車馬のように(共起しない?)働きたいと思います。